シリコンの購入し忘れで作業がストップしてしまった。
しかし、前に間違えて購入したシリコンがあったのを思い出したので試しに使ってみることにしました。
(注文したシリコンを待ちきれないというのもある)
【SLJ3220】という透明シリコンで型取り用シリコンと間違えて購入してしまっていたものです。
【 SLJ3220 】は造形用シリコンです。
買ってしまった後にネットでこのシリコンを調べると、持ち上げただけで千切れるなどと書いてあるのを見て使わずに封印していました。
しかし、このまま置いていても使い道がないです。
「これは逆にチャンスではないか?」
ということで【 SLJ3220 】が型取り用として使えるか自分で試して見ることにしました。
これが使えればシリコンの透明度がかなり高そうなのでUVレジンを硬化させるのに最適ですね。
まずは、届いた段ボール箱から取り出してと。
(箱から出してすらなかった)
![](https://onefish-lure.com/wp-content/uploads/2020/01/slj1.jpg)
取り出して容器をゆすってみるとビックリ!
「なんだこれ!水か!!」
というくらいサラサラした液体が入っています。
「大丈夫かこれ?固まるのか?」
すでに暗雲が立ち込めているような気がする
しかし、ここで諦めたところで使い道は無いので作業を進めます。
容器にシリコンと硬化剤を混ぜたところです。
![](https://onefish-lure.com/wp-content/uploads/2020/01/slj2.jpg)
さすがサラサラしているだけあって気泡が少ないです。
サラサラ過ぎて混ぜてる感が少ないので、きちんと混ざったかどうか心配になる。
シリコンを原型に流し込みました。
![](https://onefish-lure.com/wp-content/uploads/2020/01/slj3.jpg)
脱泡などしなくても、気泡は全くありません。
この辺はかなり使いやすくていいですね。
後は硬化待ちです。
10時間後くらいに触ってみるとプリンのような感触…
大丈夫かこれ?
持ち上げただけで千切れるという書き込みが頭をよぎります。
さらに放置して24時間。
触ってみると…
固めのシリコンと同程度に固まっていました。
固さは何の問題もないみたいですね。
枠のアルミテープを外しました。
![](https://onefish-lure.com/wp-content/uploads/2020/01/slj4.jpg)
形が崩れるわけでもなく全く問題なさそうです。
原型からシリコンを剥がして光にかざしてみます。
めっちゃ透明です。
オブジェになりそうなくらい綺麗です。
![](https://onefish-lure.com/wp-content/uploads/2020/01/slj6.jpg)
![](https://onefish-lure.com/wp-content/uploads/2020/01/slj7.jpg)
持ち上げただけで千切れるなんてことは全然なかったですね。
どういう事だろう?
ただ、ちょっと問題もありました。
取り敢えずそれは最後に書くことにして、早速発泡ウレタンを流し込んでみました。
![](https://onefish-lure.com/wp-content/uploads/2020/01/slj8.jpg)
![](https://onefish-lure.com/wp-content/uploads/2020/01/slj9.jpg)
メタルバイブ用にはレジンキャストを流し込みました。
どちらも問題なく使えました。
最後にリップの部分にUVレジンを流し込んで硬化させてみます。
![](https://onefish-lure.com/wp-content/uploads/2020/01/slj12.jpg)
これも問題なく硬化出来ました。
造形村の透明シリコンより透明度が高いので、UVレジンは 硬化しやすかったです。
で、先ほど言っていた問題点ですが…
型同士を合わせて少し放置していたのですが、なぜか合わせた面のシリコン同士がくっ付いてしまってベリベリっと剥がれてしまいました。
下の画像の汚く見える部分がそれです。
![](https://onefish-lure.com/wp-content/uploads/2020/01/slj10-1.jpg)
硬化したシリコン同士がなぜくっ付いてしまうのかは分かりません。
型取りするためには必ず二つのシリコンを合わせないといけないので、これは結構痛い問題です。
それと、このシリコンは伸びが全くありません。
ですので細い形状などがあると簡単に千切れてしまいます。
下の画像のアイの部分に本当ならφ2.5高さ2.5mmの突起があるはずですが原型からシリコンを剥がす時に千切れてしまいました。
![](https://onefish-lure.com/wp-content/uploads/2020/01/slj11-1.jpg)
一度、千切れたり欠けたりした部分は更に弱くなり少しぶつけただけで破壊されて行きます。
ハサミやカッターなどで追加工も出来ません。
刃を当てたところはボロボロガタガタになります。
切るというより千切れる感じです。
型から製品を取り出す時にも注意が必要です。
ゆっくりと中に空気を入れ込むようにしながら取り出さないと崩れやすいです。
結果として【 SLJ3220 】 を型取り用として使ってみた感想は、細かい造形の無い単純な形状で使う分には問題なく使えそうな気がします。
特に透明度が高いのでUVレジンには最適かも…?
ただ両面型だと型同士が張り付いてしまうので(短時間なら大丈夫です。)使いにくいかもしれません。
片面のみの型なら丁寧に扱えば特に問題ないと思います。
色々と気難しいシリコンですが、この透明度は捨てがたいので状況に応じて今後も使って行こうと思います。
型の寿命はまだ分からないですが、長持ちしてくれると嬉しいですね。
コメント
このシリコーンで型取りをしている事例が珍しく、興味深く拝読しました。
以前知人から、映画やディスプレイで水の表現や薄く板状に成形したものを砕いてフェイクの割れガラスを表現するための素材だと教わったことがあります。
型取りには到底使えないとのことだったのですが、意外と使えることに驚きました。
大変良いことを知ることができました。ありがとうございます。
T.O さん
コメントありがとうございます。
少しでもお役に立てそうなら嬉しいです(^^)
知人の方のご意見は正解です。
本当に単純な形状の物にしか使えないので普通は使えない部類に入りますね。
特にシリコーン型の方に細い突起が出来る形状には使えません。
千切れてしまいます。
とはいえ、UVライトの光が型の奥までしっかり届く透明度なので形状が単純な物は、このシリコーン を使っています。
型取り用として使うには色々と問題も多いですが慎重に使えば意外と使えますよ(^^)