発泡ウレタンで使用するフィラーの比較実験

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発泡ウレタンで、ハンドメイドルアーを作る際に必要なものにフィラーがあります。
フィラーとは、樹脂に添加して性能アップや求める特性を得るために使用します。
発泡ウレタンに限らず、ほとんどのプラスチック製品に色々なフィラーが使用されています。

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ハンドメイドルアーで、発泡ウレタンにフィラー使用する目的は、きめの細かい発泡をさせる為に使用します。

フィラーを使用せず発泡ウレタンのみで作ると、気泡の大きさがバラバラでバランスの悪い発泡をします。
フィラーを添加すると、この欠点をクリアする事ができます。


今回、比較するのは

フィラーなし
タルク(含水珪酸マグネシウム)
タンカル(炭酸カルシウム)
ガラスバルーン(マイクロバルーン)


の4種類(フィラーは3種類)です。


今回は、それぞれ1gずつ使用して比較してみたいと思います。

1gずつ入れてみたところです。
量の違いがわかりますか?

分かりにくいかもしれないので拡大画像です。

タルクとタンカルは、それ程変わらないですがガラスバルーンだけ極端にに多いですね。
同じ重さで、これだけ量に違いがあります。

それぞれの粒子の大きさも違います。
ガラスバルーン<タルク<タンカル
こんな順番ですね。
タルクとタンカルは微妙な違いですが、ガラスバルーンは明らかにこの二つより細かいです。
こんな感じの違いがあります。


実験は、それぞれ同じ条件で行います。

フィラーは全て1gにする。
発泡ウレタン(30倍)各2g
無発泡ウレタン(レジンキャスト)各6g
全て同じシリコン型を使用

発泡ウレタンは、普段私が使用しているやり方です。
発泡ウレタンと無発泡ウレタンを混合して使用します。
(発泡ウレタンのみだと液の粘度が高すぎて型に流し込めないです。)



それでは、実験を開始します。

フィラーなし

まずは、フィラーなしからです。

いきなりですが、型から取り出したところです。

赤丸の所に大きな気泡が透けて見えますね。
画像では分かりにくいですが、この他にも幾つも同じような気泡が透けて見えていました。
こういった所は、表面に薄い膜があるだけの状態なので、指で押すとベコベコなります。


重さを測って見ます。

12.96g
結構重いですね。


ルアー本体を削って内部がどうなっているかを見てみましょう。

内部の気泡も大きさがバラバラです。
中心部分は殆ど発泡していない状態ですね。
発泡が十分ではなかったので、外側まで綺麗な形にはなっていません。
外側の形は液を増やせば解決しますが、内部がこの状態では使い物になりません。

フィラーなしでは、発泡具合が不均一で仕上がりが悪いのがわかりますね。

強度は、場所によってまちまちです。
気泡の大きい場所はまったく強度が無いといっていいですが、発泡していない部分などはカチカチです。

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タルク

次にタルクで実験してみます。

全て混ぜた画像です。

タルクが1g入っていますが、薄すぎてサラサラの液体状態。
玉にならないように混ぜるのも少し時間が掛かります。
サラサラなので型には流し込みやすかったです。

型から取り出しました。

フィラーなしに比べると、表面から透けて見える気泡は減りましたが、それでも多少はありますね。


重さを測ります。

10.36g

フィラーなしより少しだけ軽くなりました。
発泡状況を見ていた感じでは、フィラーなしの時よりも発泡していたので、その分重さが軽くなったのだと思います。(あくまでも想像です)

削って内部を見てみます。

気泡の大きさは、フィラーなしより小さくなっています。
気泡のバラつきも落ち着いた感じになっていますが、まだ全然均一にはなっていません。
しかしフィラーなしと違って中心部も発泡していますね。

強度は、それなりにある感じです。
カッターで削った感触は、ある程度固いものを削っている感じはしっかりありますが、場所によって多少ムラがありますね。

タンカル

次はタンカルですね。

全て混ぜた画像です。

混ぜ終わった後の色はタルクと若干違いますが、液体の粘度は、ほぼ同じでサラサラしています。
粉末の状態ではタルクの方が粒子が細かかったように見えましたが、ウレタン液と混ぜるとタンカルの方が溶け込みやすいように感じました。

混ぜ終わった後の画像を比較してもタンカルの方が色は薄いですが透明度は低くなったようにみえますね。
ただタンカルの方が玉になりやすい感じですね。


型から取り出します。

表面の仕上がりはタルクと、それほど違いはありませんでした。
この段階ではタルクとタンカルの違いは全く感じられません。

重さを測ります。

11.44g

タルクより1.08g重くなっています。
タンカルもウレタン液も、タルクの時と同量で実験しているのに重くなるのは、フィラーによって発泡率に違いが出るからですかね?

同じように削って内部を見てみます。

フィラーなしの時のように、中心部にあまり発泡していない部分があります。
気泡の大きさもまだまだバラバラです。
発泡していない部分があるので、タルクより重くなったのかな。

強度は、タルクより若干固かったですね。
あくまでカッターで削った感触なので感覚的なものですが…

ガラスバルーン(マイクロバルーン)

普段私が使用しているガラスバルーンです。
こうして他と全く同条件で比較する実験は初めてなので、どうなるか楽しみです。

早速、混ぜてみます。

もう他の二つとは、この段階ではっきり違いますね。
粉末の重さが同じ1gでも量(体積)がかなり多かったので、ウレタン液はサラサラではないです。クリーミーな感じ
バニラアイスが完全に溶けて液体になった感じに近いです。


型から取り出しました。

この状態でも、すでにほかの二つよりきれいに仕上がっているのが分かりますか?
リップの部分で比べると分かりやすいですね。
リップのエッジも綺麗に出ていますし、表面もツルツルに見えますね。

発泡加減もこれが一番よく発泡していました。

重さも測って見ます。

4.96g!

他の二つより断トツに軽いです。
正直、ここまで違いが出るとは思っていませんでした。
他、2つの半分以下の重さです。


内部も見てみましょう。

これは、すごい!
綺麗に均一に発泡しています。

ちょっと見えにくいかもしれないので拡大画像

このような感じで、細かい気泡が均一に作られています。
完全に均一ではないですが、他のフィラーの結果との違いは一目で分かりますね。
例えると、固いスポンジというのが一番近い表現になります。

同条件での実験の場合は、ガラスバルーンが1番優秀です。
ルアーに必要な要素の浮力の確保も問題ないですね。

ただし、強度に関しては1番低そうです。
カッターでサクサクと削れます。
バルサよりは固いです。
ですので、低いといっても使えないほどではなく実用強度はしっかりあります。

強度を上げたい場合は、発泡ウレタンと無発泡ウレタンの比率を変えて発泡率を下げれば強度は上がります。

その辺は、浮力と強度の兼ね合いで各々の判断で選択すればいいのではないかと思います。

実験結果

1番綺麗な仕上がりで発泡も安定しているのは、やはりガラスバルーンでした。
特にルアーは浮力が重要な要素になるので、安定して細かい気泡が作れるフィラーを使用する方が、より良いルアーを作れることにも繋がります。
その点、ガラスバルーンは優れていると思います。

しかし、ルアーは浮力だけではなく強度もそれなりに必要なので、その辺も考慮してフィラーの選定をする必要がありますね。



今回の実験は、あくまで私が普段おこなっているやり方での実験ですので、違うやり方で行えば違う結果になる可能性もあります。

私は、発泡ウレタンと無発泡ウレタン(レジンキャスト)を混合して使用していますが、発泡ウレタンのみで行うとまた違う結果になるかもしれません。

フィラーの重さを同一条件にして実験しましたが、今度は体積を同じにして実験してみたいですね。
その内、実験してみて追記します。




追記

タルクとタンカルは、ガラスバルーンと比べて重さは同じですが、あまりにも量が少なかったので重さを無視して見た目の量が同じになるようにし追加実験を行いました。

追加実験の記事です。



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