メタルバイブの作り方は、シリコン型を使用して型に金属板を挟み、溶かした鉛を流し込んで作ります。
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普通はこれだけなのですが、私の作り方は少し違います…
いや、違わないですね。
同じですが、一手間プラスします。
鉛を型に流し込んだ事がある人は知っていると思いますが、綺麗に仕上げるのは結構難しいです。
表面が中々綺麗には仕上がりません。
そこで私は考えました。「別に表面まで全部鉛でなくてもいいんじゃないか?」
という訳で、早々に鉛で綺麗に仕上げるのを諦め、作り方を変更しました。
それでは、製作開始します。
準備するもの
材料
・シリコン型(2セット)
・アルミ板(1mm厚)
・鉛
・レジンキャスト
・ホログラムシール(貼りたい場合)
・缶スプレー(好きな色)
加工道具
・CNCフライス(私はこれです)
無ければ、
・卓上糸鋸(ホビー用の小さな物で可)
無ければ、
・金切りバサミ
・バーナー
・金属容器(私はアルミの塗料用の皿を使っています)
以上です。
金属板の加工
まずは、アルミ板を加工していきます。
私はCNCフライスを使用しているので、こんな感じで4個分まとめて加工しています。
CNCフライスが無い人は、糸鋸か金切りバサミで加工します。
1mm厚のアルミ板程度でしたら加工出来ます。
加工が終わったら、バリ取りして綺麗に仕上げます。
特にラインが触れるそうな部分は角をペーパーなどで滑らかになるように仕上げます。
赤丸で囲った部分の穴は、キャストしている時にアルミ板から鉛が外れてしまわない様に向こう側とこちら側が繋がって一体になる為に空けています。
シリコン型にアルミ板をセットする
アルミ板の加工が終わったら、シリコン型にセットします。
必要なものにシリコン型(2セット)と書きましたが、これは鉛を流し込む為のものと、レジンキャストをを流し込む為のものの2セットです。
シリコン型を作る時に、鉛用のものよりレジンキャスト用の方を少しだけ大きく作ります。
(アルミ板の部分は同じ大きさで、流し込む部分だけサイズを変える)
こうすることで、鉛の表面の仕上がりが汚くても後からレジンキャストで隠れてしまうので見た目を綺麗に仕上げる事が出来ます。
鉛用の型にセットしたところです。
セットしたら締金具で固定します。
隙間が無いように、きちんと合わさっているか確認してください。
これで、準備完了です。
鉛を溶かして流し込む
ここからは、鉛とバーナーを使用するので細心の注意をお願いします!
塗料皿をペンチなどで少し変形させて、注ぎやすい形状にしたものを、ロッキングプライヤーなどでクランプして取っ手として使います。
写真に写っているバーナーは、【GB2001】という電子ガスバーナーです。
これが、グリップ部分が手のひらサイズの小型バーナーで非常に使い勝手がいいです。
手元のダイヤルで800℃~1300℃まで調整可能です。
メタルバイブなど、溶かす鉛が少量の場合はこれで十分ですね。
鉛を塗料皿に入れて、バーナーで加熱します。
私の場合は、金属トレーの上に裏返した塗料皿を置いて、その上に鉛の入った塗料皿を乗せてから加熱しています。
ロッキングプライヤーが緩くないかしっかり確認してから行ってください。
途中で外れて溶けた鉛がこぼれると大変危険です。
周りに燃えやすいものがないかも確認してからバーナーを使用して下さい。
写真に写っている鉛は、使用済みの鉛ですが準備する鉛は板オモリなどを使用した方が溶けやすいです。あっという間に溶けます。(ただし不純物が多いのでカスが多く出ます)
大きなブロック状の鉛も売っていますが、小型バーナーと塗料皿では使いにくいので少量製作の場合は板オモリをお勧めします。
大量に必要な場合や不純物が少ない方がいい場合は、純度の高いインゴットを購入した方がいいでしょう。
鉛が完全に溶けたら、型に流し込みます。
その際、溶けた鉛の表面に汚い不純物が浮いていると思います。
それが一緒に流れていかない様に、ゆっくり流し込みます。
ゆっくり流せば、下の方にある比較的綺麗な鉛だけが流れていきます。
上手く流し込めれば、湯口から入った鉛が空気穴から出てきます。
鉛が固まったら型を開いて中を確認します。
ここで、綺麗に流れ込んでいない部分があったら、湯口や空気穴を改良してスムーズに鉛が流れるようにしてやり直しです。
やり直しは、アルミ板をペンチで挟んで鉛をバーナーで加熱すれば綺麗に取れます。
型から取り出す時は、まだ熱いのでペンチなどで挟んで取り出してください。
くれぐれも手で触って火傷しない様に!
余分な部分をニッパーでカットして、切り口をやすりで整えます。
これで鉛の流し込み作業は終了です。
沢山作る場合は、これを繰り返します。
しかし、写真でも分かるように表面はあまり綺麗ではありません。
これを綺麗に見せるために次の作業を行います。
レジンキャストを使って綺麗に見せる
鉛のままだと表面が汚いです。
それを隠すためにレジンキャストを使用します。
レジンキャスト用の型にセットします。
鉛用の型より少しだけ大きく作っているので、少し隙間が開いているはずです。
ここにレジンキャストを流し込んで汚いのを隠してしまおうという魂胆です。
レジンキャストを流し込んだところです。
今回は、発泡ウレタンは使用しない。
中の空気を押し出してくれないので、下の写真の様に湯口にシリコンを丸棒状にしたやつを突っ込んで中に残っているかもしれない空気を押し出します。
後は、レジンキャストが固まるのを待つだけです。
固まったら型から取り出します。
これで鉛の汚い部分は隠されました。
余分な部分をカットして完成です。
最後に塗装します。
塗装
私は、メタルバイブの塗装はエアーブラシは使用しません。
缶スプレーかマジックで塗るだけです。
後は、 ホログラムシール を貼るくらいですね。
ホログラムシール
このようなシールが100均に売っているので、これを使います。
まずは、こんな感じでアルミ板の部分に貼り付けます。
私は、少し大きめのシールを全体に貼った後にカッターやデザインカッターなどで縁をなぞるようにカットしています。
次に、穴の周りのシールをこの様にカットします。
最後に、アルミ板やレジンキャストの端の部分から0.5~1mm位離れた場所をカットしていきます。
これは、シールが端っこの方まで貼ってあると剥がれやすいので、剥がれるのを防ぐためにこの様にしています。
シールを両面とも貼り付けたら完了です。
マジックや缶スプレーで塗装
メタルバイブは根掛かりが多いので、エアーブラシまで使って気合いを入れて塗装するものではないと思っています。(あくまで私個人の考えです。)
綺麗さに拘りたい人はエアーブラシで塗装して下さい。
私の使っているマジックは、これです。
ホームセンターなどで色々なマジックを買って試してみましたが、これが一番使いやすいです。
特に黒は塗りやすいですね。
あまり良くないものは、何日たっても乾燥せずベタベタしたままのもあります。
色々試して好みのマジックを見つけて下さい。
ホログラムシール、マジック、缶スプレーを駆使して塗装したのがこれです。
後は、クリアのスプレーでコーティングすれば完成です。
見た目は手書き感満載ですが、私は十分耐えれる範囲です。
どうでしょうか?
以上、私なりのメタルバイブの作り方でした。
鉛の硬度が高い方がいい場合
私の作り方は、最後にレジンキャストで覆ってしまうので鉛の強度はあまり気にしていません。
鉛をむき出しで使う場合などは、鉛の硬度が高い方がいいです。
特にメタルジグなどの長さがあるものを作る場合は、軟すぎると曲がってしまう場合もありますので硬度は高い方がいいでしょう。
鉛はアンチモニ(アンチモン)と混ざった合金になると硬度があがりますので、そちらを使う方がいいです。
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