革命は大袈裟ですが、結構いい方法を発見したので紹介したいと思います。
その前に、今までの歴代コーティングでの挫折歴も書いておきます。
色々、うだうだと書いていますが、本題は最後だけです。
目次で飛ばしちゃってください。
ルアービルダーの永遠の悩み…
ルアーを作っていて一番トラブルが多いのは、やっぱりトップコーティングだと思います。
セルロースセメント
ウレタン
水性ウレタン
エポキシ
UVレジン
クリアラッカースプレー
色々なコーティングがありますね。
私も上に書いたコーティングは全て試しましたが、どれも満足する事が出来ませんでした(使いこなせないだけで物が悪い訳ではありません)
使いこなせている人は、本当に尊敬します。
セルロースセメントの挫折
セルロースセメントは、言うまでも無く色流れに悩まされます。
ネットで調べれば幾らでも色止めの方法は載っていますが、上手く行く時と行かない時があり、かなり運に左右されます。
砂吹き何回、濡れ吹き何回と上手く行った時と同じ条件でやっても、次にドブ漬けすると見るも無残な色流れ。
色止めの乾燥時間を1週間とか長めにしてもダメ。
結局、何が悪いのかも分からない。
何個ルアーをダメにしたことか…
結局セルロースセメントでのドブ漬けは挫折しました。
ウレタンの挫折
次にウレタンですが、1液性のウレタンは空気中の水分と反応して硬化します。
蓋を開けた瞬間から空気に触れることになるため、管理が大変です。
大変というより、まず無理です。
最初は、軽く色止めしておけば色流れもせずに本当に美しい光沢で仕上がりますが、数回使用すると明らかに使用感が変わってきます。
何度か空気に触れたことにより、瓶に残った液も、徐々にですが硬化し始めます。
ドロドロになってボッテリとコーティングされるようになります。
薄め液で多少は延命処置を施せますが、まず殆ど使わずに破棄する事に…
結局、個人の少量生産ではコスパが悪過ぎます。
2液性のウレタンは、2液合わせるまで反応しないので保存性は良いのですがドブ漬けが出来ません。
基本、筆塗りです。
使用後の筆は使い捨てになります。
混ぜ合わせるために使用する容器に残ったウレタンも固まってしまうので使用後の処理に難ありです。
ウレタンをエアーブラシで吹き付けるのも、リスクが伴います。
一度固まったウレタンは溶剤で溶けないので、使用後の洗浄にかなり気を使わなければならないのです。
最悪、エアーブラシが使えなくなります。
セルロースセメントと比べて管理や使用方法に問題があり挫折しました。
水性ウレタンの挫折
セルロースセメントもウレタンも挫折して、もう水性ウレタンでいいや。
と、水性ウレタンを使い出したのですが、これにも問題がありました。
色止めなどせずに、いきなりドブ漬けしても色流れなどしないので強度を諦めれば、これが最強かと思われましたが、そう甘くは無かったですね。
まず、硬化時間が長過ぎること。
完全硬化まで1週間は掛かる気がします。
環境で違うと思いますが、最低でも4、5日はかかるのでは…
液が溜まるような箇所では、表面だけ固まって中の方は何日経っても白いままで、ぶよぶよしています。
これは溜まった液をティッシュなどで吸い取ってあげれば解決できたのですが、別の問題も出てきました。
なんとか綺麗にコーティングできて、ワクワクしながら釣り場へ持って行きました。
しばらくは問題なく使用していたのですが、キャストを繰り返しているうちに何となくルアーが白っぽく見えてきたんですね。
最初は、光の加減や水滴でそう見えているだけかと思っていたのですが、違いました。
コーティングが白化していました。
これはショックがデカかったですね。
強度を諦め、硬化時間が長いのも我慢し確実に成功する方法だと思っていたのに、こんな結末が待っていようとは…
白化したやつと同時にコーティングしたルアーが3つあったので、家に帰り水に沈めて確認すると、程度は違いますが全て白化しました。
その後、いくつか試しに作ってみたのですが、白化するやつとしないやつがありましたね。
結局どうすることも出来ずに、水性ウレタンも挫折しました。
エポキシの挫折
これは色流れの心配もなく強度も高いなら使いこなせたら最強だと思って試しにやってみた。
2液ウレタンも挫折したので本当に試しただけです。
ですので、始めに言っておきます。
アッサリ挫折しました。
まず2液の検量かシビア過ぎます。
固まらなかったり、表面にベタベタが残ったりしますね。
室温も関係するらしく扱いが面倒くさいです。
それに塗った後に、ハジキが出たりするので監視が必要です。
筆も使い捨てです。
性格的に無理でした。
UVレジンの挫折
私はルアーの目玉はUVレジンを使って作っています。
目玉を作っている時に、これってコーティングに使えるんじゃないかと思い試してみました。
結果、かなり良かったです。
紫外線を当てるだけで数分で固まる。
作業は筆塗りだが仕上がりも綺麗、使用後の筆も紫外線を当てなければ固まることもない。
という、ルアー制作の時間が、それ程取れない私にとっては救いの神の様にも思えました。
1つ目までは…
1個目がアッサリ上手くいったので、気を良くして2個目に取り掛かったのですが、どうしたことかハジきまくるのです。
デコボコしたクレーターのような部分が無数に出来ます。
これはいかん、と思いタップリとUVレジンを塗りましたが、ルアーに馴染んでつるんとなるまでの間に結局ハジく部分が出てきます。
それではと、ハジく前に固めてやれと紫外線を照射。
出来上がりは、デコボコのボッテリしたルアーの完成です。
まあ、失敗ですね。
ルアーのサイズが大きいほど、ハジきやすい気がします。
しかし、UVレジンの手軽さが捨てきれずに
色々と試してみる事に…
まずは、一度ラッカースプレーでコーティングした後に表面をペーパーで荒らしてからUVレジンを塗る。
少し良くなった気もするが、やっぱりハジク。
温めてみる事にする。
ドライヤーを取り出し温風を浴びせる。
するとUVレジンがサラッとなった感じになりルアーに馴染んだ!
これだ!
と喜んだのもつかの間。
塗装にぶつぶつと気泡が⁉︎
これも失敗…
解決策も見つからないまま、しばらく過ごしていましたが、温風を当てた時サラッとなってルアーに馴染んだのを思い出しました。
「ひょっとして、UVレジンを薄めてサラサラにすれば馴染むのか?」
そこでUVレジンにエタノールを混ぜて薄めて塗ってみる事に。
結果、大成功!!
見事にルアーに、つるんと馴染みました。
これは完璧だとUVレジンを買い込み、ドブ漬け用のUVレジンとエタノールの混合液を作成する事に。
それから、いくつもこのコーティングでルアーを作りました。
コーティングの悩みから解放されて、それはもう楽しかったですね。
…
…
夏(初夏)が来るまでは…
最高気温が30℃を超えた日が急にきたのですが、その時は作ったルアーを車内に放置していたのです…
そして悲劇は訪れます。
何と全てのルアーのコーティングがシワシワになっていたのです(泣)
これには本当に参りましたね。
熱に弱かったとは…
このダメージが大きく、結局挫折しました。
クリアラッカースプレー
自分で使う分には、もうこれで十分だという感じです。
一応、車用の第一石油類でコーティングしていました。
結構、硬度もあり問題なかったです。
ただ、表面の仕上がりはスプレーなので荒いですね。
ただ、やっぱり問題から逃げてる感じがするので、またUVレジンでの方法を模索する事に…
ついに、革命のコーティング!
この方法は、今年の2月に実験してうまくいっていたのですが、最後の検証が終わるまで成功か分かりませんでした。
車内放置テストです。
6月になり30℃を超える気温にも耐えたので紹介します。
一緒に置いてあったスピニングリールは、持てないくらい熱くなっていました。
一応、成功ですかね。
しかし、8月いっぱいまでは油断できないです。
それでは説明を。
UVレジンとエタノールの混合では、熱という弱点が発覚しました。
樹脂の薄い膜しかないから熱に弱いのだという考えから、エタノールの代わりに熱の影響をあまり受けないであろうセルロースセメントを混ぜたらどうなのだろうか?
それは、本当に突然の閃きでした。
なぜか、UVレジンで目玉を作っている時にです。
閃いたからには、じっとはしていられません
早速、実験開始です。
とりあえず、UVレジンとセルロースセメントを1:1の割合で混ぜた混合液で実験。
これをエアーブラシで吹き付けてみる。
結果は、大成功!
吹き付け後、UVレジンを硬化させるために紫外線を照射。
セルロースセメントが含まれているため、硬化時間が通常と違う可能性(そもそも硬化しない可能性)もあるため、多めにとって1時間照射しました。
溶剤が含まれているため固まってもドロドロ状態かな。
これが私の予想でした。
しかし、これが予想に反してカッチカチに固まっていました。
こんなに上手くいくとは思わなかった。
しかも、表面のベタつきもありません。
UVレジン(エタノールの混合も含む)だけだと表面にベタつきが残る場合がありますが、それが全くなかったのです。
ここまでは上手くいっていますが、後は…
真夏の高温の車内に放置しても大丈夫かどうか?
これをクリアーすれば、自分の定番トップコーティングに決定です。
時間がとれたら、混合比率を変えた実験もしてみたいですね。
現在6月…
8月いっぱいで問題なければ合格かな。
**現在は別のコーティングを使用しています。**
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