今回は、CAM(Fusion360)に使用する刃物を登録する方法を説明をしていきます。
使用する刃物をCAMに登録する
CNCフライスで加工する時に使用する刃物を登録しておかないと、CAMはプログラムを作成することが出来ません。
ここの加工は、何φでどんな形状の刃物で加工するのか?
といった情報が必要ですので、あらかじめ登録しておきます。
CAMモードに切り替える
モデルを読み込んだ直後はCADモードになっているので、これをCAMモードに変更します。
【モデル】と表示されている部分をクリックします。
すると、その下に色々なモードが表示されるので【製造】を選択します。
表示が変わって、以下のような画面になります。
点線部のような表示になっていればOKです。
これでCAMモードに変更されました。
刃物の形状登録
必要な刃物の登録をします。
【管理▼】をクリック。
工具ライブラリをクリック。
工具ライブラリが表示されるので、Localを右クリック。
新規工具ライブラリをクリック。
新規ライブラリが作成されるので、好きな名前を入力する。
別に、そのままでも構いません。
ここでは、My Toolという名前にしています。
【新規ミル工具】をクリック。
工具編集画面が表示されるので、【タイプ】をクリックします。
クリックすると編集可能な刃物の種類が表示されるので登録したい刃物の形状を選択。
ここでは、ボールエンドミルを選択して説明します。
ボールエンドミルを選択。
メーカーカタログを確認する
私の使っている、ユニオンツールさんのロングネックボールエンドミル【CSELB 2020-200】を使って説明します。
どこのメーカーさんでも、大体WEBカタログがあるはずですので、それを見ながら刃物の形状を調べます。
注意書きなどにも必ず目を通しておいて下さい。
このように、形状の説明図と、各部位に記号が当てられています。
型番表から使いたい刃物を探して各部位の寸法を調べます。
刃物形状寸法の入力
寸法が確認出来たら赤点線内の寸法欄に入力していきます。
入力した寸法通りに右の刃物の図が変化するので間違えて入力していないかの確認がわかりやすいですね。
しかし、まだシャンクテーパー角(赤矢印)がまだですね。
ここの形状も作成します。
【軸】をクリック。
高さ、上側直径、下側直径を入力する欄が表示されるので、それぞれの数値を入力していきます。
下の図の寸法を入力する。
高さの寸法は三角関数を使って求めるか、CADで図を描いて寸法を求めて下さい。
実際の数値は、お使いになる刃物に合わせた寸法を入力して下さい。
すべて入力すると、右図の刃物の形状が変わっているのが確認できます。
これで刃物形状の登録は終了です。
しかし、まだ終わりではありません。
刃物の切削条件の登録
加工する時に刃物の回転数や、どの位の速度で動かすかといった情報を登録しておきます。
【送りと速度】をクリック
各情報を入力していきます。
主軸回転速度 | 主軸の回転数です。NCプログラム上で回転数を変更できるCNCフライスを使用している場合のみ意味がある設定です。 |
切削送り速度 | 材料を削る時の速度です。 1分間に刃物が何mm進むかで指定します。 |
進入送り速度 | 刃物が材料を削りだす時(削り開始時)の速度の事です。 1分間に刃物が何mm進むかで指定します。 |
退出送り速度 | 進入送り速度の逆です。刃物が材料から抜けて行くときの速度の事です。 1分間に刃物が何mm進むかで指定します。 |
ランプ送り速度 | XZ,YZ,XYZ方向に直線で切り込んで行くときの速度の事です。 つまり斜め下に削っていく場合の速度です。 |
切り込み送り速度 | X,Y軸は動かずに、Z方向に切り込む速度の事です。 つまり真下に削る場合の速度です。 |
ここの設定は、CNCフライスの能力や、削る材質や、使う刃物によって色々条件が変わってきますので、経験を積んで学んでいくしかないですね。
刃物の登録の説明はこれで終わりです。
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